得るモノもあれば、同時に失うモノもある。

人は何かを学ぼうとするとき、

できる人のを真似をするのが一番良い方法です。

 

動物の世界でも実は目で見て学んでいるのです。

たとえばチンパンジーは、群れの中で多くの事を学びます。

動物としての根源的な行為である交尾すら

観察して学習しているのです。

群れの中で育ったなければ交尾ができません。

 

また、

キリンも同様に、

群れの中で子育てを観察し体験するので、

自分の時になったら何をするべきかが分かるのです。

(『僕が旭山動物園で出会った動物たちの子育て』参照)

 

このことは、私たち人間にも同じことが言えると思います。

動物として基本的に必要なことは群れで学ぶと同じように

私たち人間として基本的に必要なことは、

家族や地域の中で学ぶのです。

 

近年、精神的に不安定な人々が増る傾向にあると言われます。

大半は、職場の業務ストレスや人間関係が主要因です。

残念なことに、中には命を絶つこともあります。

 

 

幼少期頃に親から愛情をたっぷり受けた子どもは

精神的にも安定し、

困難に立ち向かっていける強い心が養われると言われます。

 

それを証拠づけるものとして、 

江戸時代から戦前に訪れた多くの外国人達は、

日本人のことを

「決して豊かでは無いが

心はとても穏やかで安定していて、

とても幸せそうだ。」

「泣き叫ぶ子どもが全くいない」

「子どもはいつも笑っている」

「日本は子どもの天国」

などと、感想を述べています。

 

当時の子育てで特徴的なのは、

小さい子どもは必ず誰かに背負われていたそうです。

愛情をたっぷりと受けて育っていたから

子どもはいつもニコニコできたのだと思います。

 

握手や相手の肩を揉むときなどの 

肌と肌の触れ合いでも、

一瞬で相手と自分の心をつなぎ、

不思議と安心を受けとります。

 

子どもとの肌の触れあいが必要な大切な時期に、

保育園に預けて、家族の全員が仕事に出かけてしまったら、

その子どもは、将来自分も家族を持とうと思うでしょうか?

 

たとえばアニメのサザエさんで、

タラちゃんを保育園に預けて、

サザエさんやフネまでもが仕事に出かけてしまっていたら、

どうなるでしょうか。

たぶん収入が増えるので都心のタワーマンション

引っ越すかもしれません。

 

タラちゃんが大人になった時

自分も明るい家族を築きたいと心から思えるでしょうか?

 

 

祖父母がいなく片親であって働かなければ生活できない場合は、

仕方が無いでしょう。

 

しかし、

明るい家族の姿を見せる者がいても、

見せられない状態で、

はたして

その子どもが大人になったとき、

明るい家族を持とうと心から思えるでしょうか。

 

リンゴの種子は、

分厚い果肉の愛情にたっぷり包まれ守れています。

やがて土に落ち、種から芽が出て新たな木へと育ちます。

 

保育園では愛情を受け取れないとは言いませんが、

子どもを心から愛せるのは

その子の親以外に他には無いと思います。

やがて成長しようとする種が自分から飛び出して旅立つまで、

たっぷりと愛情を注ぐことで、

強くて優しい人間へと育つのでは無いでしょうか。

 

yui