パイロット版、酒気が醒める時間基準
『パイロット版、酒気が醒める時間基準』
飲酒事故防止を考えるのは、
自動車のドライバーだけではなく、
飛行機のパイロットも同じです。
2019年6月3日、10日、16日
『飲酒事故を減らす工夫』では、
計算方法を紹介しませんでしたが、
その時に、紹介しようとした方法も加えて、
酒気が醒める時間基準を説明したいと思います。
紹介しなかった理由は、
その計算方法だけを盲信し重大な事故や、
飲酒運転等で検挙されることを防ぎたかったからです。
しかし、
何事も常に自己責任が伴われていることを前提に紹介します。
最終的に参考とした資料は、
日本航空操縦士協会発行の、
「AIM-J」です。
AIM-Jは、
正式にAeronautical Information Manual Japanと言い
パイロットが航空機の運航に必要な法規、基準などを
一冊の本に詳しく書かれた
いわゆる操縦以外のパイロットマニュアルです。
先ず大切なのは、
空を飛ぶからパイロットの方が厳しく、
地上を走るドライバーは緩い
と言う考え方は全くありません。
どちらも事故を起こせば
大きさに関わらず人命に大きく影響を及ぼします。
飲酒する事と、
運転・操縦する事の両方を上手く付き合っていくためには、
『敵を知り、我を知って百戦危うからず』
と孔子が言ったように、
それぞれの事を
良く理解していかなければならないと思います。
それでは説明します。
前回紹介しようとした計算方法ですが、
アルコール度数×0.1L×(体重係数60÷自分の体重)=酒気が醒める時間
体重50kgの方がアルコール度数5%のビールを500mLを飲んだ場合は、
5%×0.5×(60÷50)=
2.5×1.2=3時間
体重60kgの方は一番簡単で、
アルコール度数に0.1リットル倍すれば時間になります。
5%=0.5時間
60kg以外の体重は、
30kgの方は倍(5%=1時間)になり、
120kgは方は半分(5%=0.25時間)になるため、
反比例します。
体重係数は計算する前から分かっているため、
運転・操縦するまでの時間がわかれば、
どれだけ飲酒できるは、
初めから簡単に分かります。
そして今回は、
AIM-Jに記載されてあった飲酒対策です。
第9章961.〖飛行への適合性〗d.アルコールには、
飲酒量には「ドリンク」という単位が使用されます。
1ドリンクは純アルコール10gを含む飲料です。
500mLビールでは、2ドリンク=20gです。
ドリンクの計算は、
飲酒量(mL)×アルコール度数(%)×アルコールの比重0.8=g
500×0.05×0.8=20g
更に②では、
「アルコールの分解速度は、性別・年令・体重・体質により異なり、疲労・体調等でも変動する。諸要素を勘案した上で、アルコールの分解能力は、1時間当たりアルコール4グラムと計算しておけば、検知器で検出される可能性は殆どないと言われている。」
4gはビールの場合で、100mLに相当する量です。
体重60kgの場合で前回と比較すると、
前回は、0.5時間で
今回は、1時間になります。
つまり、前回から倍にすればいいのです。
更に私は、体重係数を使用することを勧めます。
体重50kgの方がアルコール度数5%のビールを500mLを飲んだ場合は、
アルコール度数×0.1L×(体重係数60÷自分の体重)×AIM-J係数2
=酒気が醒める時間
5%×0.5×(60÷50)×2=
2.5×1.2×2=6時間
これでもあくまでも目安です。
最も重要なのは、
飲酒事故を絶対に起こさないようにすることです。
先述しましたが、
何事も常に自己責任が伴われていることを忘れてはいけません。
飲酒について正しく付き合って、
運転・操縦を楽しむことが大切だと思います。
yui